« ええとこ | トップページ | コーヒーギャラリーHIRO 尼崎つかしん店【喫茶店めぐり2014 vol.1】 »

2014年1月 5日 (日)

映画「永遠のゼロ」

 映画「永遠のゼロ」を観てきました。

 とても素晴らしい物語でした。主人公である零戦パイロットの謎に少しずつ迫っていく展開と、彼自身のパーソナリティ。 主人公に対して「なんて崇高な人なんだろう」と感動し、こんな人が存在してくれたことを日本人として誇りに思う…ような気になって、フィクションであることを【忘れてしまいたいような】気にさえなりました。

 コンピュータ・グラフィックによる海戦や空中戦シーンの描写もこの上ない出来映えでした。これは本当に素晴らしかった。ただ、この映画で伝えるべきは戦闘シーンのリアルさ(多少の語弊を覚悟していえば「格好よさ」)ではなく、「大事な人の人生を守りたい」という哲学をもって生き抜くことの厳しさだったのではないでしょうか。

 この作品が戦争の無益さを十二分に訴えていることに異論はありません。ただ、僕にはもう少し別のテーマが投げかけられているように感じたのです。

 物語の冒頭で、主人公のパイロットは戦後まで生き残った同僚たちの証言として「臆病者」の謗りを多く受けます。「愛する家族のために生きて帰りたい」が故の行動が戦場では反感を買っていたからです。

 今のニッポンには幸い「戦場」はありませんが、それに代わる「場」がいくつかあります。社会人にとっての職場も、子供達にとっての学校も、ある意味、皆「戦場」です。実際に戦場という言葉を使って例えられることも多いです。

 その現代の戦場であなたが戦うのは何のためなのでしょう。会社のため?受験のため?富と名声を得るため?

 もちろん健全な企業間の競争やエリートの育成は必要ですから、そのすべてを否定するわけではないのです。ただ一方では、ブラック企業があり、イジメがあります。家族を想うがゆえに働き、勉強を勧め、大きなシステムから抜け出せなくなってゆく。そんな現在のニッポンにあって、「愛している人を守るために」他人に蔑まれ、殴られてでも、そういった過剰な戦いからは距離を置いて生きる。生き抜く。そんな人生がもっと認められてもいいのではないか。そういうメッセージを強く感じた映画でした。

 愛する祖国を守るという言葉の勇猛さに惹かれすぎてはいけない。愛する人を守ることはひょっとすると戦わないことなのかもしれない。そういう考え方を【忘れてしまってはいけない】のです。きっと。

 新年早々思いもかけずそういう人が身の回りに見つかるとちょっと嬉しいんだろうけどなあ。

|

« ええとこ | トップページ | コーヒーギャラリーHIRO 尼崎つかしん店【喫茶店めぐり2014 vol.1】 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/56831/58885369

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「永遠のゼロ」:

« ええとこ | トップページ | コーヒーギャラリーHIRO 尼崎つかしん店【喫茶店めぐり2014 vol.1】 »