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2012年7月 8日 (日)

デザイン&デジタル

 空港は旅の『イントロ』ーー。

 先月末の韓国旅行で、まず感じたことです。初めてその曲に接する人たちに、これから始まる音楽について、シンプルだけれど印象的な自己紹介を行う大切な部分。音楽にとって前奏(イントロ)ってそういう役割を担った部分です。とすれば、仁川(インチョン)国際空港は、これから入っていこうとする国の印象を体現した見事な『自己紹介』になっていました。

 ターミナルまでの間を移動する地下鉄の駅の照明は、プログラミング仕掛けで刻々と柔らかく七色に変化します。直線的なデザインをベースにしながらも、壁面には必ず木材が使われて伝統的なデザインも踏襲しています。列車はコンピュータ制御で無人運行。ハングル、中国語、英語、日本語…と、4ヶ国語で流れる案内も液晶ディスプレイでおしゃれに切り替わります。

 ああ、この国は、きっとデザインとデジタル技術に力を入れているのだろうなあ。

 ーーさほどこの国のことを知らずに空港に降り立った旅人でも、きっととそういう印象を持つだろうな。そう感じました。

そして、都心までの直通特急に乗って、夜の首都・ソウル駅に降り立っても、その印象は変わりません。変わるどころか、空港でのインスピレーションが、徐々に確信に変わっていきます。指定席チケットの発行も、自動改札も、ビルの壁面を飾る韓流スターたちの笑顔あふれるデジタルサイネージ広告たちも、すべてはデザイン&デジタルの魅力に溢れていました。未来都市へようこそ。そんな印象。きっとこれがいまこの国が目指している、この国が実現しつつあるイメージなんだろうなあ。

 韓国には24年前に初めて行き、以来、今回が6回目だったのですが、前回と今回の間には、著しい『デザイン&デジタル』の進化を感じました。初めてソウル観光をした時にはニセモノと屋台の活気が魅力で、世界に胸を張れるものといえばオリンピック開催ぐらいだったのに(オリンピック観戦に行ったんです)。一方で、当時の日本にはコピーされるほどのクオリティを誇る『デザイン&テクノロジー』があったのに。ホンダ、ソニー、ニンテンドー、セイコー…。世界のトップランナーの座を奪われてしまったのを痛感しました。

 かたや、当時と同じくバスもタクシーも猛スピード。屋台のジャンクフードは相変わらず訳わからんモノでいっぱい。明洞(ミョンドン)の客引きは以前にも増してしつこく。……変わらずにいてほしい風情がそのままだったのは、普通なら嬉しく感じるところでしょう。でも今回は、日本が失くしてしまったものを持ち続けていることを、誇らしげに見せつけられているような気がして、寂しくも感じました。

 まあ、食べ物は相変わらず美味しいので、概ね楽しかったんですけどね。

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