Superfly『Box Emotions』
彼女は『平成版・和田アキ子』ではないか――。
会社でそんな声を聞いた。でも、僕は彼女を『平成版・美空ひばり』なんじゃないかと思う。
もちろん、歌唱力(あるいは歌唱に伴う表現力)とか、国民的アイドルという意味ならばあるいは松田聖子などと比するべきだろうけど、それも違うと思う。彼女のファンには「えっ、なんで?」って感じの感想なのだろうけれど。
ご紹介が遅くなってしまいました。
今日の話題の主は、Superflyの越智志帆。
「ひばりか、アッコか」論はさておき、新アルバム『Box Emotions』をタワーレコードで買って来て聴いているのですが、すでに連続再生3順目、かなり気に入ってます。いろいろなところでタイアップ曲を発表しているので、幾つかの曲は既聴というのももちろんあるのでしょうが、とにかく聴きやすい。ノリノリ、ゴキゲン、イケてる、ヤバい。世代を超えた絶賛の言葉を並べたくなるような感じです。
真骨頂は「Alright!!」のようなパンチの効いたダンス・チューンだと思うのですが、「My Best Of My Life」なんかはキャロル・キングや中島美嘉を思わせるスロウバラード、かと思えばローリング・ストーンズを彷彿とさせる黒っぽいロックンロールもこなすし、ジャニス・ジョップリンもシェリル・クロウも見え隠れする。すごい歌唱力という表現では言い切れない「歌いっぷり」です。「やさしい気持ちで」なんて、松本隆作詞、大滝詠一師匠作曲、松田聖子歌唱の名作「風たちぬ」を思い起こしませんか。それでいて歌声は五輪真弓を思わせます。一曲ごとに、もういろんな人、いろんな曲、いろんな歌い方が、アタマを駆け抜けます。
でも、技巧派シンガーにありがちな、「こんなにいろんな歌が歌えるのよ」と自慢げにひけらかすような感じとはちょっと違う。それぞれの楽曲と歌唱に音楽の源流(平たく言えば、こういう音楽を意識して作ってみましたという元ネタ)が見え隠れします。でも、それがパクリだとか焼き直しだとは何故か思わない。思えない。
それはなぜだろう。
それはきっと越智志帆がいろんな音楽のエスプリを十二分に消化しているからだ。あの小さな体に、たくさんの音楽を詰め込んで、言葉も、メロディも、歌唱法も、すぅっと吸収してるからだ。それも、すごく楽しそうに(きっと、そうに違いない)。
そして、彼女にしか歌えないやり方で、Superflyの歌として、いまの世の中を、いまの女の子の気持ちを、いまのリスナーに向けて、謳う。そしてその楽曲作り、音作りをいろいろな才能がバックアップしている。
その構図。
僕はそれが美空ひばりを取り巻くスタイルにとても似てるんじゃないかなと感じたんですよね。でもパンチの効き方は笠置シヅ子かな…えっ、古い喩えはもうええって?いやいや、何と言っても敬老の日を含むシルバーウィークですから。
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