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2009年6月 7日 (日)

湯乃山街道をゆく

 イヤなことはなるべく早く片付けて、お楽しみは後に取っておく――。
「宝塚から有馬温泉へと抜ける有馬街道を自転車で往復しよう」という、44歳の中年男子にとってはいささかキツいと思われるこの試みは、このパターンの好例でした。

 昨年の9月末にクロスバイクを買ってサイクリングを始めました。初めは通勤にと考えてたのですが、一度走ってみてビックリ。通勤ルートを自転車で往くと、バスやダンプカーと併走するのは危ない上に排気ガスが埃っぽく、おまけに沿線の工場からの薬品っぽい匂いが鼻を衝きます。ありゃあ、だめだ。とてもじゃないが、楽しく通えそうにありません。それじゃなくても、会社に通うのはユーウツだっていうのに。

 早々に、早朝サイクリングへと鞍替え。半年も経ってそこそこ体力もついたし、体調も良くなりました。反面、オーバーワークが心配に。歳を取ったってことなのか、経験から来る危機回避感覚なのか。そこで、雨と暑さの季節をを迎える前に一回遠出をしてそれをひと区切りとし、秋までシーズン・オフの期間を作ろうと考えたのがこのコース。往復で50km。温泉と美味しいハンバーガー屋を巡って、悠々半日で帰ってこれるコース。唯一の心配が往路の4kmに及んで連続する坂道でした。

 時あたかも新型インフルエンザが神戸で発見されてからちょうど10日ほど経った五月の末の某日曜日。雨の予報だったのですが、出発時には何とか天気は持ってます。朝の8時すぎに出発。宝塚ホテルの脇を通り抜けたのが9時過ぎ。そこから徐々に坂道が多くなり、JR生瀬駅の前を通過していよいよ蓬莱峡に掛かった頃から上り坂が延々と続きます。

090524_0923 県道を走っている限りでは残念ながら名高い蓬莱峡のダイナミックな全景は見えない。でも、たとえそこに絶景が広がっていたとしても、とてもじゃないがその景色を楽しんで走る余裕はなかったでしょうねえ。初心者にとっては4kmで標高差300mを上る勾配は思いのほかタフ。それでも「時間はたっぷりあるんだし、往きが上りでしんどけりゃあ、その分帰りは下りで楽チン」という意識が働くので、気分的にはそれほど苦痛を感じない。体力勝負のイベントには「苦しみは先に、楽しみは後に」が、ある種の鉄則かもしれません。

 結局、1時間ほど掛けて、10時ちょうどぐらいに船坂の交差点に到着。ルートはJR生瀬駅近くの大多田橋交差点から兵庫県道51号宝塚唐櫃線に入れば、一直線なので迷うことはまったくないでしょう。交差点を直進し、さらに30分ほどで有馬温泉郷の中心部へ。

090524_1031 金の湯、銀の湯の外湯めぐりで、ゆっくりと疲れを癒します(チケットは850円)。金の湯は湯も熱く、見るからに効き目がありそうな濃厚なお湯なので、こちらに先に入ることをお勧めします。その後、温泉時で道中の無事と健康を祈願した後にさらりとした銀の湯で体を休めた後に、金の湯に戻って足湯に浸るという有馬温泉入門にはもってこいのコースです。ちなみに僕は足湯ではなくすぐ近くにあったBARニュ-ルンベルグで黒ビールで一休みしました。ハードな山道で汗をかいた後に日本三大名湯のひとつで汗を流して体をほぐした後の一杯です。その味たるや…拙文でお伝えするまでもないでしょう。090524_1141

 昼食をニュ-ルンベルグで取っても良かったのですが(ソーセージがとても美味しそうでした)、せっかくここまで足を延ばしてきたのですから、ハンバーガー好きとしてはエスケールでハンバーガーを食べて帰ろうということで、温泉街に別れを告げて30分ほど山を下って山口町のハンバーガー・ショップ『エスケール』(以前書いたエスケールの記事はこちら)へ。疲れた体には甘さが美味しいだろうということで久しぶりにパイナップルをトッピングに追加してみました。これでお腹も満腹で言うことなしです。

 帰路は船坂峠まで緩い上り坂が続くのですが、のんびりと休み休み30分もすれば船坂の交差点に戻ってきます。そこから後は下り坂一辺倒。生瀬駅まで一気に下ってわずか15分。スピード感、風を切る爽快感が堪りません。ただ、スピード・コントロールにだけはご用心を。

 戦国時代は豊臣秀吉が湯治に通ったと言われる有馬街道、またの名を湯山(湯乃山)街道。現在は兵庫県道51号宝塚唐櫃線というのが正式な名称だそうです。途中ぱらりぱらりとサイクリストにも出会いました。どうやら阪神間の愛好家には有名なルートなのかもしれません。でも、有馬温泉から船坂峠への上りを考えると道順はやっぱり「温泉に寄ってからエスケールへ」がお勧めです。

 くれぐれも「苦しみは先に、楽しみは後に」の鉄則をお忘れなく。

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コメント

私は、昨日、ゴルフの帰途、中国道が渋滞してたので、裏六甲から六甲山山頂を経て宝塚、西宮カントリーから、逆瀬川に下るというこいっちさんが苦戦した坂あたりを難なくドライブして帰ってきました。昔登山で通った峠の茶店や、植物園、はてまた今はもうなくなった会社の寮の近辺をセンチメンタルドライブでした、さすがに六甲はすがすがしい空気と風にあふれ、こんな都市近辺にあるありがたさをしみじみかみ締めました、時々、懐メロ風のスポーツカーがとんでもないスピードで対向車線に飛び出してくるスリルもあって「わが青春の六甲」をかみ締めました。学生時代、西宮営林署のバイトで所員のバイクの後ろに乗って、獣道の三角点や標準点のペンキを塗って歩きました。鷲林寺、神呪寺なども懐かしい地名です。昔、歩いた山道も、車に乗ればすぐ近くの距離にある醍醐味を、この年になってようやく知ったしだいです。

投稿: 原辰 | 2009年6月 8日 (月) 14:48

>原辰さん

六甲は国立公園なのに意外と道路の密度が濃いんですよね。
今年は夏山散策にも久しぶりに挑戦しようかなと思っております。

投稿: コイッチ | 2009年6月15日 (月) 23:10

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