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2009年6月14日 (日)

100円の攻防

 先日、同窓会で飲んでいるときに、「最近、若い人たちは細かいところまで金額を割り出さないと気持ちが収まらないらしい」という話になりました。ケータイに付いている『割り勘機能付き電卓』とやらで、100円ぐらいの単位まで細かく計算するのだそうです。「女性や後輩などは割り引いてあげよう」というときには、何割引きかを指定して、お勘定の合計金額と多めに出す人と少なく済ませてもらう人の人数を入れると、あら便利。細かい金額とおつりあるいは不足分まで計算してくれるのです。

 そりゃまあ、そっちのほうが正確かつ公正なんですけどね…。

 最近、とんと飲みに行く回数が減っているので、僕にはあまり発言権がないのかもしれませんけど、「世の中、えらい細かいこと言うようになってきたんやなあ」という印象を受けました。

 デート代だとか飲み代を、おごるか、割り勘にするか(どれぐらいの割り合いで勘定を割るか)というのだって、コミュニケーションの一部分じゃないかと思うんですよね。僕は本当にそういうのが苦手で、たまーに職場の若いスタッフを誘った場合でも、金額によって、自腹でおごってあげたほうがいいのか、領収書をもらって会社の経費で落としたほうがいいのか、ハンデをつけて割り勘にしたほうがいいのかとか、いちいちくよくよ考えたりするほうなのです。でも、そのくよくよするのも含めて、僕なりに世の中とコミュニケーションしてるんです。あたふた、オドオドしてる僕を見れば、「コイッチさんって、そういうことが下手なんだなあ」と周囲の人たちに伝わっちゃう。確かに、歓迎すべきことでもないし、嬉しくもないんだけれど、僕の一面を分かってもらうチャンスにはなってるはずでして。そこに「幾らと幾らで割り勘できます」と言う頭のイイ人がいたり、「経費で落としちゃえば?」という世渡り上手がいたり、「ごっつあんですっ!」と次の店に急ぐ不届き者がいたり。そういう経験の中で、どんなときに誰と誰を誘って、どんなお店に行って、どういう負担にすればいいのか、徐々に分かるようになっていくもんだと思ってきたのですが。

 割り勘機能のようなベンリなものがでてきちゃうと、そのツールに依存して世の中のルールが均一化してしまうような気がするんですよね。相手が大金持ちのお嬢様でも、日々の生活のやりくりにも苦労しているような女性でも、デートの負担が同じというわけにはいきますまい。経済的な事情だけでなくって、自立心の強い人だとか、依存性の強い子だとかによっても違うでしょうし、付き合いの長さだって関わってくるかもしれません。要するに一概には言えない。さらには負担の割合を100円単位でずばり言い切るなんて、そもそもあんまり意味がないんじゃないのかなあ、と(まあ、デートの場合は二人で割るだけなので電卓使う人はいないでしょうけど)。

 それでも、実際に「100円単位で割り勘したほうが安心」って人が増えているってことは、「お勘定もコミュニケーション」なんてのは非主流派なんだろうな。気をつけよう、と思った次第です。そのうち、世の中の割り勘データを集めて、飲み会のシチュエーションによって「世の中の何%の人は、この割り合いでシェアしてます」なんてオススメ機能まで付いちゃうのかも(そういうことだって出来るはずですよね)。それはそれで安心なのかもしれませんけど、ますますコミュニケーションからは遠くなっちゃうなあ。

 で、前述の40代の飲み会は、5千円ずつ集めて、何故かお釣りがひとり千円ずつ余る、という極めてアバウトかつ頼りない計算(笑)。皆それぞれにご機嫌に酔っていたので計算合ってるのかどうか誰にもわかりませんでしたが…あ、そうか。

 最近は、お開きになってもまだ素面の人がたくさんいる、ってことなのか。

 そりゃあ、覚めた目で酔っ払いの計算間違いを眺めれば、マナー悪いなあと思うのも人情かな。やっぱりちゃんと計算しなくっちゃいけないかもなあ(いちおう、(こんな便利なケータイサイトもブックマークしました)

割り勘電卓

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コメント

こないだ開いた「上司を送る宴会」で、受付してくれた理系の人々がきっちり収支計算をしてくれていたはず…だったんですけど、「ご名算!」って言ってた人間みんなしこたま呑みすぎていてぜ~んぜん計算が違ってたことが判明(笑)

でも入りのお金は間違えてなかったのでその後、事なきを得たんでした。やっぱし40代はよく呑みますですね。

宴会場になった場の女将曰く「最近の若い人は飲みませんから…皆さんはよく呑みますなあ」。あらら、だったんでした。

投稿: シーラカンス | 2009年6月14日 (日) 20:10

極めて、大胆な予測ですが、勘定が細かくなったのは、その若い人たちの環境のせいではありますまいか。就職氷河期で苦労していて、相対的に満足度が低いので、お金について、神経質にならざるを得ないのではないかと推測します。私の近親者も、景品の多さで、定期購読の新聞を選んだりしてます。また、新聞の折込チラシで、安いスーパーに出かけて買い物をしています。

投稿: 原辰 | 2009年6月15日 (月) 14:33

>シーラカンスさん

聞いてますよ!
その宴会はすでに『伝説の送別会』へと昇華していってます。
酔ってるのと酔ってないのでは、
どう考えても計算に対するモチベーションって違いますよね。
(いい悪いは別にして)
ほんとに最近の人は飲まなくなりましたから、
割り勘電卓は時代のニーズに合ってると思います。

>原辰さん
コメントありがとうございます。
確かに計数感覚自体が私たちの世代より敏感かもしれませんね。
でも、どうなんでしょう。
あれほど生活が苦しかった戦中戦後には
果たして何円何十銭まで正確に割り勘したんでしょうかねえ。
やはり酒と金の相対的なパワーバランス、感覚的なポジションが変化したのではないか、と。

投稿: コイッチ | 2009年6月15日 (月) 23:06

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