« ドン・マツオ「オレハシナイヨ。」 | トップページ | ドンマツオ・ソロツアー@十三ファンダンゴ »

2006年1月28日 (土)

君の音楽はいつも聞こえています

一息入れる出張先の繁華街の喫茶店。
携帯電話に入った友人の突然の訃報。
二十年前の記憶。幾つものエピソード。

人は死ぬ。

理由もなく、躊躇もなく、猶予もなく。
その無情さ、残酷さ、無念さ。

ドアを開けたほんのちょっと先に真っ黒な深淵が広がっている。
そんなことが人生には起こりうる、のですね。

先週は水曜から木曜に掛けて東京へ出張だったのです。半年近くかけて準備してきた仕事のお披露目が終わって、仲間と別れてほっとして休憩に入った銀座のスターバックスでした。何か連絡が入ってないかと手元の携帯電話を見ると「友人に不幸との連絡あり」とのメールが。

慌てて連絡をくれた友人に電話を掛け、仔細を確認。学生時代からの友人が自宅の階段で転落、後頭部を強打し帰らぬ人になった、とのこと。これまで何度も友人の死を経験していますが、こんなにもあっけなく、突然、命の灯火が消えるなんて初めてです。言葉を失う。まさにそんな感じでした。まだ気持ちの整理が上手く付いてませんし、やるせない気持ちでいっぱいです。

その瞬間を迎えるまで健康で、幸せで、仕事も順調で。ただほんのちょっと忙しくって、それがちょっと彼の足元をおぼつかなくしただけだったのでしょう。そんな彼が死んでしまわなければならなかった理由はどこにもありません。骨折程度ならさもありなん、ではあるところを。

残念。その言葉しかありません。

彼と初めて会ったのは大学受験の試験会場でした。同じ教室で受験して、同じ大学の同じ学科に進み、同じ研究室に所属しました。彼はエレクトーンの演奏がたいそう得意で、日本の大会で優勝し、世界大会でも優秀な成績をおさめました。結婚式では締めに素晴らしい演奏を披露してくれました。一生の思い出です。番組で使う音源をお願いしたこともあります。先月も依頼をしたところ、珍しく「忙しいから」との理由で断られました。それだけに、仕事の充実振りを伺うことが出来「がんばってるなあ」と思ったものでした。

そしてその演奏ももう二度と生では聞けなくなってしまいました。

ブログにこんなことをつらつらと書いて何がどうなるというのでしょう。それでも、書けば何か供養になるような気がして書いています。彼の死を自分の中でどう受け止めるか。その難しい作業を、こうやって文章にならない文章を綴ることでしてるんだと思います。

彼の死からまもなく一週間。

彼なしでも世界はうまくやってるように見えます。地球はそれでもぐるぐると回っているようです。それでも彼がいた世界と彼がいなくなった世界は僕にとっては何か「違い」があるはずです。彼が大好きだったジョン・ウィリアムズの曲を彼が演奏するところを、ついにうちの子供たちには聴かせてやることが出来ませんでした。僕には彼の演奏が今も聞こえている一方で、彼の演奏を知らない家族もいる。演奏だけでなく柔らかかった人柄や、楽しそうに話すそのしぐさや。そういう彼の魅力をうちの子供たちには見せてあげたかった。友人として凄く残念です。

子供を持つ父親として、畑は違ってもエンターテイメントの世界に身を置く者として、同窓生として。性格も成績も全く違っていたのに(そう彼は優秀で僕は落ちこぼれでした)、楽しくコミュニケーションできた友人でした。奥さんに「大阪に行くときはいつもコイッチさんの話をしてました」と聞かされてほんとに涙が止まりませんでした。無念で悔しかったです。そして凄く嬉しかったです。心よりご冥福をお祈りします。

さらば友よ。君の音楽はいつも聞こえています。

ジョン・ウィリアムズ グレイテスト・ヒッツ1969-1999ジョン・ウィリアムズ グレイテスト・ヒッツ1969-1999
ロンドン交響楽団 ジョン・ウィリアムズ ボストン・ポップス・オーケストラ

ソニーミュージックエンタテインメント 1999-11-10
売り上げランキング : 4,242
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

|

« ドン・マツオ「オレハシナイヨ。」 | トップページ | ドンマツオ・ソロツアー@十三ファンダンゴ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/56831/8376719

この記事へのトラックバック一覧です: 君の音楽はいつも聞こえています:

« ドン・マツオ「オレハシナイヨ。」 | トップページ | ドンマツオ・ソロツアー@十三ファンダンゴ »