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2005年6月 1日 (水)

孤高の大関逝く

僕のヒーローの一人が天に召されました。

元大関、貴ノ花満関。昭和の名大関。その小さな体にあふれる闘志。

まさに闘志の塊、常に挑戦者。ヒロイズムの体現者と言ってもいいでしょう。子供の頃に、大相撲の大好きな家族に囲まれ、彼のようなヒーローを見ながら育ったことは、男子にとってすごく健全であり、幸せだったと信じます。

うちの若いスタッフは「なんで、お相撲さんばっかりやるのよ」と不平たらたらなこの二、三日なのですが、それは「ヒーローを持たざる世代」だからなのかな、とも思うわけです。

ヒーローって何よ?

やっぱり「勇気」かなあ。

貴ノ花関の相撲を見ると元気が出たんですよ、小中学生であってもね。輪島、北の湖、高見山・・・大きく、うまく、強い、並み居るライバルたちに、闘志と足腰の強さだけで立ち向かう。土俵上でのその姿を見ていると、自分も強くなった気がしたし、自分も強くあらねばと思った。

体をしならせ土俵際で敵をわずかに早く地に落とす。かと思えば、相手の攻撃をマトモに受けては無残にも土俵下まで吹き飛ばされる。勝負の明と暗を、時に美しく、時に哀しく、身をもって土俵の上で見せつける。まさに「銭の取れる相撲」でした。

アンパンマンだって「勇気百倍」ですし、映画「ロッキー」も同じような感覚を体に与えてはくれます。でも生身ではありません。「ほんとうの」戦う姿ではないんです。脚本として戦い、脚本として勝ったり、負けたりする。

翻って、貴関には、「リアルさ」があります。

結局、横綱にはなれませんでした。怪我や病気に泣きました。優勝回数もさほど多いとはいえません。それだけに彼の戦いには哀れさが付きまといました。それゆえに「本当の」「まことの」ヒロイズムがあるような気がします。

今の時代にもヒーローと呼ばれる人はたくさんいます。イチローや松井ゴジラ、中田ヒデなど。確かに彼らは偉大な選手ではあるのですが、およそ「勇気をくれる」ところまではいってないなあ。現役の選手で、「ああ、俺もがんばらないとね」とか思うのは、野茂クンぐらいかな。どこか孤高なんですよ、ヒーローって。でもそういうのは時代の雰囲気じゃないんだろうなあ。お菓子屋の重役とか兼ねてたりして洗練されてないと今風じゃないんだろうなあ。

二人のバカ息子が葬式のことでケンカしたらしいけど、ったく、息子にその偉大さが理解されず、尊敬をもって最期を飾ってもらえないとは、まさに「孤高の大関」です。恥を知れ、若貴兄弟。

ご冥福をお祈りいたします。

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コメント

こんばんわ。
私は、元北の湖関との優勝決定戦が印象に残っています。
勇気を与えてくれるヒーロー...
確かに、最近は少ないですね。

自分の親のお葬式なのに、あれだけあからさまに仲の悪さを
見せられるとね。せめて表向きだけでも普通に出来なかった
のかな。残念ですね。

ご冥福をお祈りします。

投稿: Kanko | 2005年6月 1日 (水) 23:58

>Kankoさん
>せめて表向きだけでも普通に出来なかったのかな。

ケンカするのは仕方ないし、他人がとやかく言うことではないんです。
でも、それを表に出して平気な当事者(それもプロスポーツや芸能など客商売に関わる大人)と、
国民的なヒーローの死去の報に際して、そこをクローズアップしてしまうマスコミ。
そこがね、恥を知れ、と思うんですね。

投稿: コイッチ | 2005年6月 2日 (木) 06:57

息子話。。も、報道から外してほしい気も。。
でも、当分続くんでしょうね。。
ホント、ご冥福をお祈り申し上げます。
静かにお眠り下さいませ。。

投稿: えべっさん | 2005年6月 2日 (木) 08:34

どうもはじめまして。トラックバックをたどってきました。
ホント、また相撲の一時代が終わったような感じですよね。コイッチさんの言う勇気をくれるヒーロー、そんな感じでしたね。
息子たちの話もあれですが、これからまた相撲が面白くなってほしいものですよね。

投稿: SAI | 2005年6月 2日 (木) 08:52

うんと小さい頃、「大きくなったら、お父さんか、貴乃花か森進一のお嫁さんになる」と私は言っていました。
森進一だけは、謎です。
お父さんと貴乃花は、私のヒーローでしたから。

投稿: 雛子 | 2005年6月 2日 (木) 21:45

TBを辿ってきました。
コイッチさんの見方良いですね。
本当に段々とヒーローはいなくなります・・・

投稿: amehare | 2005年6月 4日 (土) 01:19

こんなにコメントが・・・。やはり偉大なり貴ノ花!

>えべっさん
静かにご冥福を祈る・・・まさにそんな感じです。
白黒のテレビ、食い入るように見つめるオトナたち。
夕方の雰囲気。クラマエコクギカンという音の響き。
精一杯の日本人たち。

まだ都会に清涼感が残っていた時代やったんかもしれません。
そういう時代に対しても冥福を祈らなければいかんのでしょうかね。

>雛子さん
おひさしぶり・・・ですよね?
森進一ですか(笑)。
襟裳岬は好きですけど、僕にとってはヒーローという感じじゃ・・・(笑)。

> amehareさん
はじめまして。
amehareさんの見方も面白かったです。
数ある貴ノ花(あくまで現役時代のシコ名で僕は呼びたい)関連のブログ・エントリーの中でTB先に選んだのは、プロレスと比して考えるというのが、当時の時代の雰囲気を知ってる者として、ひざを打つものがあったからです。

投稿: コイッチ | 2005年6月 4日 (土) 11:11

>SAIさん
お返事書くのを飛ばしてしまいましたね。
あんまりコメントたくさんいただくのになれていないもので・・・すいません。

ヒーローが現れない時代なのかもしれません。
例えば、楽天なんかにいると面白いんでしょうけどね。
でも、岩隈にそれを求めるのもなんか違うような気がするし。

個性としてヒーローが似合う人が少なく、社会もマスコミもそういう文脈で語っても盛り上がらないんでしょうかね。

投稿: コイッチ | 2005年6月 4日 (土) 11:19

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